スキマに癒されたい…早く土曜日になれ。

私があんなに純粋に頭を悩ませたことが今となっては馬鹿みたい。私なんかが真面目に考えてあげるほどの男じゃなかった。悩んだ時間も会いに行った時間も全部無駄だった。消してしまいたい。
プライドが高かったり、女々しかったり、卑怯だったり、嫌なとこばっか見た。私はただうつ向くしかなかった。途中からもう顔を見るのが辛くなった。
この人はいったい何だろう。誰だろう。私は今なにをしてるのだろう。ずっと怖かった。
夜景が綺麗な場所に連れて行かれた。ちっともキレイじゃなかったけど。ただ、死ぬほど寒かった。海からの風は冷たいよ。
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真面目な話し、結構嫌いじゃないんだよね〜付き合ったら楽しそうじゃない?
私)???(無視)
ひとりで寂しくないの?
私)寂しくないよ、ひとりじゃないから。
え?彼氏いないよね?
私)いないよ。けど、別に一人じゃないもん。友達も家族もいるから寂しくない。
やっぱり大人だね。俺はすごく寂しいんだ。
私)ふーん。
俺がもしさ、もしだよ、本当にたとえばの話だけど、ずっと好きでしたとか言ったらどうする?
私)なんでそんなこと聞くのー?
いや、なんとなくだけどさー。
私)どうだろうね。それは言われてみないと分からないね。
うーん…そっか…あのさ、なんかさぁ俺ってそんなに魅力ないのかな?
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もう、うんざり。こいつ、私に好きって言わそうとしてる。好きじゃないし付き合いたくもないから、私、絶対言わないよ。そっちが話があるって呼び出したんでしょ。
会った瞬間からずっとつまんない態度をあからさまに出してた。気があるって誤解をされないように。自分から会話をすることはなく、話しかけられたことに淡々と答えるだけ。なんとなーく今好きな人がいるっぽい感じのことも早めに伝えた。それで向こうが、あー他に好きな人がいたのかって今、ここで諦めるのも良いし、それでも好きって言うのも勝手だし、って思ったから。
言った瞬間、どんどん顔が曇っていって、まさか!?みたいな表情で明らかに動揺していた。
当然手に入る、と思われていたことがすごく嫌だった。今までの恋愛遍歴を聞かれて素直に答えたときも、案外真面目なんだねと言うし…私、そんなに軽い女じゃないよ。彼女ってゆうものが欲しいだけなら他の人あたってよ、と思った。
今、告白をしても確実にフラレると分かったから、きっと決定的な言葉を言わなかったんだろう。フラレたら、もう縁が切れるから。だけど、そのリスクも承知でするもんじゃないのか、告白って。うまくいきそうにないから、ふられたくはないから告白やめるって…なんて女々しい男。私は純粋に愛されてなんかなかったんだ。彼女になってくれそうだから近付いただけでしょ?
だけど、あなたのいちばん都合いいようにこれからも友達関係を続けていこうなんて思ってないよ。このまま、とりあえずこの関係性さえ保てれば、いつかはモノに出来るかも知れない、みたいな態度、本当にやめて。
私はこの日、彼と縁を切るつもりで…むしろこれは縁を切るためのチャンスなんだと思って覚悟して行ったのに、ちゃんと言ってくれなきゃ、もう二度と連絡しないでと言えないじゃない。
イライライライラしたので、別れ際に『今日伝えたいことがあったんじゃなかったの?大丈夫?』って言ってみた。
彼はまた大きく動揺した。
『うん、えっと、それは、もう良いんだ…』
この言葉を聞いた瞬間「もう良いんだ。今日のデートで諦めたから」って意味なのかと思ったのに、
『…それはもう良いんだ。これからもずっと会ってくれたら、それで良いから』と言った。
私はもう絶句するしかなかった。なんなの、こいつは。これからも会うわけないでしょう?男らしくないうえにプライドだけは高くて…
せめて、一生懸命さが伝われば嬉しかった。こんな自分なんかを好きになってくれて感謝って素直に思えた。だけど、まさかこんなに屈折した男だとは思ってなかった。もう少し潔い男だと思ってた。呆れるのを通り越して、なんだか悲しくなった。
帰り道、偶然だけど電話をくれた高校の同級生のぐっさんの声が温かくて優しくて泣きそうになった。どうしたの?っていっぱい話を聞いてくれた。こんな人柄に聡美は恋をしてたんだろうな、と思った。ありがとう。また一緒に飲んで下さい。こんなに心を許せる異性は皮肉だけど、ぐっさんだけだなぁ。聡美は本当に幸せモノだったよね。これからもずっと仲良しでいたい。
心配してくれる友達がたくさん居て良かった。やっぱり、私はひとりじゃない。だから、寂しくない。そもそも孤独は嫌いじゃない。
あぁ…それにしても、なんだか心に隙間風が…スキマ風が(笑)スキマスイッチの音楽に癒されたいよ。土曜日さいたま行きます。生スキマ、本当に楽しみ。あんまりはっちゃけたりして、盛り上がりたくはないけど、じっくり生歌を耳に焼き付けてきたい…温かい気持ちにさせてほしいなぁ。