金曜プレステージ 父の日スペシャル「パパの涙で子は育つ」

出演:江口洋介(上山良平)
勝地涼(斉藤幸一)、嘉数一星(イサヤ)、加藤翼(ユウタ)、向井地美音(川村カヤ)、カティ・プールワンホン(オレンジ)、山下容莉枝(平沢先生)
林隆三(横井)、草笛光子(上山礼子)
薬師丸ひろ子(川村ふみか)ほか
原案:込山正徳『パパの涙で子は育つ

実話ってこともあって、多分忠実に再現したかったんだとは思うけど、ストーリーとしてはちょっと駆け足すぎたかな?と思った。2時間(実質2時間もないけど)だから仕方ないけど、もう少し丁寧に描いてほしかったなとは思いました。それは個人的にもっと育児する江口パパが観たかっただけなのかも知れないけど(笑)
ま、そうゆうのはさておき…冒頭からいきなり江口さんカッコイイんですけど。オレンジを空港に送るために運転する良平の顔、かっこよすぎ!
コミカルで明るいところのシーンはあんちゃんそのものだった。というか本当、まさにおっさんになったあんちゃんだよ。まぁ、ひと屋根ほど弾けちゃいないんだけどねぇ…
イサヤの担任に呼び出されて面談してるシーンはなんでか分からないけど「涙をふいて」がよぎったよ。てか、今回の脚本である吉田さんは涙をふいての脚本家さんでしたね。
ドラマの中で使われてたドキュメンタリーの映像は本当に込山さんの作品なのかな?多分そうだよね。私、込山さんの作品観たことあったんだなーって思った。
育児のシーンすごく良いなぁ。出来ればもっと長く観たかった。泣き疲れたユウタを抱き上げて鼻水を拭いてあげるシーンなんてかなり素敵だったよ。またイサヤもユウタも可愛いんだよね。ユウタは本当にまだまだ赤ちゃんっぽくて(オムツとれてないし)かなりの甘えん坊。イサヤはちょっと大人びてたりして、それがまた愛しい。
ユウタの「ねぇ、失業者ってなにぃ?消防車のなかまぁ?」ってのがむちゃくちゃ可愛い。そんなユウタを片手だけで抱き上げてる良平。本当の親子みたいだ。
オレンジに、子供に会いたい時は会いに来れば良いと言える良平の母はすごく心が広いな。今回のドラマではオレンジの苦悩みたいなものはあんまり描かれなかったけど、この人もずいぶん苦労して辛い思いしたんだろうな、と思った。そのうえでの決断が離婚だったんだろうなって。仕事ばっかで家庭を省みなかった良平がオレンジを国に帰りたいって気持ちにさせちゃったんだよね。オレンジを悪く描いてほしくないって気持ちが込山さんにはあったみたいだけど…うん、勝手な人だなとか、そうゆうふうには思わなかったよ。
ユウタが熱を出したときのイサヤがかなり頼もしい。それにひきかえパパは…(苦笑)40?にもなって自分の子供が風邪くらいで礼子さんに電話しちゃう良平。でも、分かるよ。ママいないし、心配で仕方ないんだよね。礼子さんにとっても良平っていつまでも目が離せない子供って感覚なのかも。
そして、その母親礼子さんの突然の死。これはきつい。実話なんだけど、こんなに悲しくて過酷なことが重なることもあるんですね。離婚届と死亡届を一緒に出すって、そりゃ役所の人もあんな顔になるわ(笑)にしても母子家庭と父子家庭に結構な差があることを初めて知ったよ。
結婚相談所のパンフを見つめてグフフって笑う良平はまさにあんちゃんでした(笑)しかし、良平の後輩の斎藤くんはいつも正しいことを言うよね(笑)賢くてしっかりした部下だ。その斉藤くんに何ネットなんだ?って聞くあたりのシーンがすごく好き(笑)
ふみかさんとのメールで、舞い上がってウキウキしちゃってる良平はこれぞまさしくまたもやあんちゃん!メールだけであんなに盛り上がれるのは凄いね。それは江口さんも言ってたけど。だって顔も知らない相手だし、ましてや男女間であり、最初から恋愛や結婚を意識してる間柄なんだもんね。普通のメル友とはちょっと事情が違う感じ。
上着を鼻まですっぽり隠してる良平がツボだ。可愛い。しかし、本当恐いくらいに盛り上がっている。
突然のふみかさんからの電話に正座しちゃって動揺しまくりで「すいませんね、こんな格好で」とか凄いひと屋根っぽいんですけど。「電話だから見えません」って言うふみかさん(というか薬師丸さん)の言い方がかなり可愛いらしい。
初デートの朝、斉藤くんと話す良平。これがまためちゃめちゃあんちゃんなのよ。このドラマで一番あんちゃん度数が高い(笑)だってさ、鏡の前で「じゃーん」とか「砂漠をぐぁ〜歩いてたわけだよ。そしたら向こうからキラキラキラキラ…」って。まさしくこれは柏木達也でしょう!
上野駅。向こうから不安そうな顔で走ってくるふみかさん、めちゃくちゃ可愛いらしいんですけど。薬師丸さん、可愛いわ。こりゃ、良平のテンションがさらに上がっていくのも納得だよ。でもさ、自分が仕事したいが為に再婚したいだけなんじゃないか?ってこの時点ではずっと思ってる自分がいるよ。しかも、可愛いし〜ぐらいの感覚でこの人と再婚したいって思ってんだろうなぁ、良平はって。その日の晩の電話でもさ、舞い上がりがおさまってないし(笑)カヤちゃんが自閉症だなんてことは良平がもっとも想像してないことなんだろうな…あとから考えれば。
ふみかさんの「良平さんの作品は障害者をテーマにした作品が多かったんですが、それには何か意味があるんですか」という問いに少し考えて「それは…彼らがそれでも頑張っている姿に胸を打たれるからです」と答えた良平。このセリフにはちょっとグッときた。私だって、もしふみかならこの人なら…って思ってしまうようなセリフだもん。
そして、2週間後に届いた手紙でふみかの娘に自閉症があることを知る良平。シビアな問題だなーと思ったよ。
で、5人で会うことになったんだけど、このシーンが結構良くてね…カヤちゃんが自己紹介したあとに微妙な空気が流れて妙な沈黙があったんだけど(まぁ、良平だけが結構戸惑っちゃっていたんだろう)すぐあとにユウタがまったく同じように自己紹介してたのがなんだか少しだけ感動的でね。なんか素敵だなとか思ったんだよ。良い子だなって。子供らにしてみたら、大人が意識してしまうような壁みたいなものは感じなかったんだろうな、純粋だから。
でも、良平としてはやっぱすごく複雑な思いがあったんだと思う。はっきり言って良平が結婚をふりだしに戻したい的なことを言い出したときには、正直やっぱりガッカリはしたよ。もう少しゆっくり考えさせてほしいって言ったのも、何だか絶望的な気がして…だけど、それくらい真剣に受け止めているんだろうなって考えれば、良平の戸惑いはすごく理解できるし、なんか本当難しい問題なんだって思った。
ふみかの「あなたはこのあいだのデートのあと、きっとうまくいく、そんな気がするって仰いましたよね?それはなぜ…カヤが普通の子だと思っていたからですか?自閉症の子供と一緒に居たら幸せにはなれないですか?私はあの子と一緒にいて、幸せだと思える瞬間たくさんあります。あなたの作品の中の人たちが言っているように、障害を持つことは不便だけど不幸じゃないって、そう思ってます。そういう番組を創っているあなたなら、きっと分かってくれるって思ってました…」という良平への投げ掛けは相当きつかったけど、正直図星だったんじゃないかと思う。そう思ってしまった良平が良いとか悪いとかは別にして。良平は良平でイサヤとユウタのことを一番に、すごく大事に思うがゆえ、迷っているんだとは思うし。そして、ふみかさんの気持ちもすごく分かる。言ったあとに謝っていたけど、母親としては自分の子に対してやっぱり熱い思いがあるはずだから。
横井さんが良平に噛みついて、それに対して熱く反論する良平のシーンがすごく好き。良平の言うことにも横井さんの言うことにも胸を打たれたし、江口さんのこういう演技が結構好きなんだと思う。
斉藤くんが「上山さんって本当ぼやくの好きですよね」って言ったんだけど、本当その通りだ!!って思ったよ。ぼやきすぎだし、泣きすぎだしね(笑)
斉藤くんが結局、タイトルであるパパの涙っていう部分に触れて説明してたけど、あれって原作では違うらしいね。読んでないから分からないんだけど、そこらへんのとこ多少違うみたい。確か他の人が良平に教えてあげたとかじゃなかったかな。むしろ個人的には、良平対イサヤユウタの関係性で描いてほしかったんだけどね。もっとも自閉症に関しては原作では触れてないくらいだから、ドラマ化するにあたって、やっぱりいろいろ変えてるんだろうけどね。
ふみかに会いに行く良平。身長差がたまらん(笑)江口さんの腕にすっぽりおさまる薬師丸さんが可愛いよー。なんかこの抱き合うシーン観て、となり町戦争のラストを思い出しちゃったよ(笑)
堅い決意のもと、ふみかにプロポーズしに来た良平。女性として、連絡が取れなくなって寂しいと感じたことを一生懸命に話すふみか。ただただ幸せに結ばれてほしいって思ったシーンでした。やっぱ自分が女だから、ふみかの立場に立って考えちゃうことが多いんだけど、カヤちゃんを抱えてこれからも一人で生きていくのはやっぱり相当大変なことだと思う。でも、だからと言って再婚相手が誰でも良いってわけではなくて、良平という男性と出会うことが出来て、その人はカヤについてすごく真剣に考えてくれた人で…何よりも離れ離れで寂しいと感じる自分が居て…だから、この人とならこれから家族としてやっていけるって思ったんだろうから、良平がふみかを抱きしめたシーンは本当に素敵だったよ。
そして、結婚式シーン。まさか結婚式のシーンがあるとは思ってなかった。二人とも、いい年して(失礼、笑)可愛い過ぎる。良平がふみかを抱き上げちゃったりなんかして。しかも、今どき「キース!キース!」ってある?!(笑)ないだろ〜。でも、そのチューが可愛い!
新郎良平のスピーチがまた良いんだ。もしも神さまがいるのなら〜の例えで二人が巡り会えた喜びを表現したり、家族の在り方を語ったり…。今まで、それぞれ別々の道を歩んできた二人が、一度は家庭を築いたんだけどうまくいかなくて…そんな二人が巡り会って、やっと家族になれたんだなぁ、これから新しい家族を築いていけるんだなぁと思うと本当に幸せになってほしいなと感じた。
最後にみんなでオレンジに会いに行くって結末もいいな。だけど、そのバスの中のシーンを観てると今後の上山一家が観てみたいなぁ、と思ってしまうよ。だからって連ドラ化してほしいかっていえば、それは微妙なんだけど(笑)
カヤちゃんの詩が素敵だったな。あれ、どっかで聞いたことあるような…気のせいかな?まぁ、いいや。
2時間があっという間に駆け抜けてしまいましたが、江口さん初の育児中心の役柄に新鮮さを感じつつ、子供って可愛いなぁとかこんな素敵な再婚あるんだなぁとか色んなことを考えながら観ました。育児に関してはトイレのしつけとか、そうゆう細かいの観てて、あぁ自分もそうやって育てられたんだなぁとか思ったよ。一人で育ったような顔して全然親に感謝とかしてないんですけど、当たり前のように今、言葉が喋れるのも着替えたりトイレ行ったり出来るのも、元は全部親が教えてくれたことなんだなーと思うと本当に感謝しなきゃなって思いましたよ。成長しちゃうとなかなかそうゆう感謝って出来ないんだよね。まぁ、そんなことを思いました。
素敵なドラマに出会えて良かったです。