そういうふうにできている/さくらももこ

昨日、夕食後に突如と激しい睡魔に襲われて21時台に眠りに就いた為、4時過ぎにはパッと爽快に目が覚めて(豪雨がうるさかったという諸説あり)その瞬間、兄が私の部屋に置いていったこの本が目に付いて、ベッドの中のそのままの状態で無我夢中で完読した。
さくらももこさんのエッセイを読むのは初めてだ。「ちびまる子ちゃん」や「コジコジ」などはよく読んだものだが。エッセイもすごく面白い。寝起きにもかかわらずスラスラと読めてしまった。この「そういうふうにできている」はさくらさん自身の妊娠・出産エピソードが描かれている。あちらは小説ですが、同じ題材でも、よしもとばななさんの「イルカ」より何十倍も面白い内容だった。
特に便秘の章なんか、あれだけのこと(いや、さくらさんにとっては非常に一大事)を1つの章を使って、実に面白おかしく表現するなんて本当にたまげる。
妊娠・出産と言う神秘的な経験をされたからこその、ちょっぴり哲学的な考えや子供に対する思いなどは読んでいて「なるほど〜」と感心してしまう。
この世に出てくるために私の体を介したに過ぎない、彼は自分の子供ではあるが自分とは全く別物の固体であり、彼には彼の人生がある、などという考えが結構気に入っていたりする。
すべてはタイトルの‘そういうふうにできている’に通ずると思う。一見普通の言葉に聞こえますが、じわりじわりと言葉の重みに気づく。というか、素敵な言葉に聞こえたりする。‘そういうふうにできている’から人は生きていける。なんて前向きな言葉なんだと思う。きっと自分は宇宙に抱かれて生きている。その流れに身も心もを任せていれば、思うままに安心して生きていけるような気がするのだ。

そういうふうにできている (新潮文庫)

そういうふうにできている (新潮文庫)