あおげば尊し

出演:テリー伊藤薬師丸ひろ子麻生美代子加藤武ほか
監督:市川準

人の死とは?命とは?人生とは?
誰もが必ず一度は考える疑問。考えても考えても答えは出ないけれど、それでも考え続ける。結局分からないまま死んでいくのかもしれないが、考えるのをやめずにはいられない。まぁ、それこそが人生というものなのかも知れません。
素直に心を打つ映画でした。感極まるシーンも何度か。テリーさんや薬師丸さんの自然体な演技がすごく良かったです。
教師になろうとしている人、実際に教師をしている人は特に観てみたら良いんじゃないかなと思います。
82分という短さは生死という重たいテーマのわりにはさくっと観れてちょうどいいです。
この作品を観て人の死に際たるものは壮絶なものなんだなと感じました。だからこそ、その死に際に立ち会うこと、人の死と向き合うことの難しさなどを考えさせられたのかもしれません。
友人や家族の死を経験して、命って儚いなと思ったり、あの人の人生は一体なんだったんだろうと考えることがあると思います。それを考えるだけでも、勝手に泣けてしまうときがあります。私、人が死んで泣くことはその人がいなくなる寂しさなのだと思っていました。でも、それだけじゃないってことに気が付きました。単純にそんなことだけで泣いているんじゃない。故人との関わり合いが深ければ深かった人ほど、故人の生き様や歩んできた人生を思い返して虚しくなるんだと思います。
それでも人は、生まれたその瞬間からいずれは必ず死ぬことが決まっている。そう、誰もがこの世に生まれてきた以上は経験すること。
でも、だからといって人は死ぬ為に生まれてきたのではない。毎日死に向かって生きているわけでもない。しかしながら人は、「死」というものがなければ懸命には生きれないと思う。人は死ぬからこそ生きるのだ。良い「死」を迎える為に良い生き方をしていくべきなのだと心から思った。きっと人生ってそうゆうことなのかも、と少しだけ分かった気がした。
死ぬってどういうことだろう?と少しでも疑問に思った方はぜひ・・・

あおげば尊し [DVD]

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