舞台「12人の優しい日本人」

DVD

出演：浅野和之、石田ゆり子、伊藤正之、江口洋介、小日向文世、鈴木砂羽、筒井道隆、生瀬勝久、温水洋一、堀内敬子、堀部圭壱、山寺宏一
作・演出：三谷幸喜
面白い！！
もうこの一言に尽きます。
テンポが良くて、どんどんストーリーに引き込まれていく。三谷さんの思惑通り、見事に13人目の陪審員になっていましたよ、間違いなく私は。
コメンタリーバージョンもすんごい良かったな。単純に三谷さん面白い。クリス智子も面白いな。天パですか？とかちょっとだけツボ。それ、もう話が尽きたってこと？ってゆう三谷さんの返しもまた良い（笑）
まぁ、そんなことよりも本編ですよ。本当に良い舞台。届いてからもう何度観たことか。なんでだろ、不思議なんだけど全然飽きないの。何回も観たくなっちゃうの。で、毎回新たなことに気づいちゃったりもするわけ。本当すごいわ、この舞台。全員が全員、本当に輝いていてそれがまた良い。バラバラなのにバラバラじゃないってゆう12人がすごく魅力的。
もちろん江口さん目当てで買ったんですけどね、もうそんなことは重要じゃないんですよ。だってもう私は、江口さんだけを目で追い続けるような観賞の仕方はしていないのだから。って、初見は江口さんだけに釘付けになってましたけどね（笑）
また江口さん演じる11号が変わった奴なんだ。へんくつでスカッシュ好きでプリンも好きで性格は悪い（笑）「バラバラになりましたー」ってセリフを聞いた日には、こいつなんて変人なんだ…と思ったよ（笑）で、前半はほとんど話し合いに参加しない。好きなように好きなことをしてその空間にいる。まぁ、それでも討論に耳は傾けているんだろうなという雰囲気だが、決して他の人のように自ら意見を言ったり熱くなったりはしない。時々かったるそうに質問に答えるだけ。
ところが後半、自分を含む10人が有罪と言う中、意地でも無罪を主張する4号と10号に心を動かされ？というか単純に興味を持って？みんなを無罪に持ち込むために喋る喋る。それがまたかなりカッコイイんです。なんだか古畑任三郎のようでもあり、「モナリザの微笑」の立花のようでもある。本当に堂々たるもので、えぐっちゃん初舞台だけど上手いことやりやがったな、という感じ。この結果にたどり着くまでには相当苦悩されたんだとは思いますが、本当に良い演技でした。
自分ならどの役をやりたいかなーなんて考えてみたんだけど（誰を演じる力量も私にはないんですが）私は女なんで5号、8号、10号の3人から選ぶとすれば鈴木さん演じる8号がやってみたいな。なぜやりたいかって楽しそうだから。あと印象に残るから。次に選ぶなら堀内さんの10号かな。おばさん役だし、自分の性格とはあまりにも違うから難しそうだけど、5号よりはやってみたい。だって、これまた印象に残る役だから。石田さん演じる5号はねぇ、なんだかんだで12人の中じゃ一番地味な気がする。地味っていうか、きっと一番まともで普通の人。そんな感じが私にはしました。だからダメとかじゃないですよ？5号はああゆう人物なんだから。メモヲタクは笑えます。私が一番好きなとこは「琴欧州の本名ですね、お待ちください」ってとこ。何が良いって「ですね」が良い。言い方も含め良い。誰もあんたにゃ聞いてない＆本名知ってるなんて思ってもない。いやー、山寺さんじゃないけど、本当にあのメモ帳売ってほしいわ（笑）
男の中から選べるんならやっぱ江口さんがやった11号に興味あるけど、ってか、やっぱ後半がかっこよすぎて説得力もありすぎてドワーっとテンポよく喋りまくるあたり、きっとあれを上手く演じることが出来て舞台の上であんな演技しちゃったら超気持ちいいんだろうな〜なんて思うんだけど、前半の静かな演技が難しそうなんでパス。小日向さんの9号も知的でカッコイイんだよなぁ。9号も良いなぁ。生瀬さんの2号はもちろん一番おいしいけど、やっぱセリフが死ぬほど多いんでパス。ってことで結論。意外かもしれませんが、私が一番やりたいのは山寺さん演じる12号です。なんか楽しそうだし、なんだかんだでみんなの中心にいるし、茶々入れたりちゃんと重要なことも言ったりするポジション。うん、12号で決まりだな（笑）
それより、カツラを被って舞台に立っていた山寺さんがどうしても八嶋智人さんに見えて仕方がなかった（笑）似てない？まじで。すんごい似てるよね。
ディスク2も特典映像が盛りだくさんで良かったですよ。浴衣事件、面白過ぎ。唖然呆然という感じでキョトンとしてる江口さんもさることながら、なんと言っても温水さんが良い。面白すぎる。何、浴衣なんか着てんすか？とか、どうしたんですか？とか時代劇じゃないんだから、みたいなみんなの冷ややかな声かけが堪らなくおかしい。おいしすぎるぜ、ぬっくん。
あと、特典映像の三谷さんの前説も最高だったなぁ。「もしかしたら生瀬さんが初日には古田新太に変わってるかもしれません」ってサラッと言う感じ。そして古田新太というチョイス（笑）ホント最高です。
と、まぁこんな感じで本当に素晴らしい出来のDVDなのであります。兄にも観せたんですが、最高って言ってました。個人的には「THE有頂天ホテル」よりも面白かったと言ってます。あと、ポツリと「江口は背が高くてカッコイイよなぁ・・・」と切なげに言っていました。
すっかりこの舞台にハマッてしまった。今日やっと映画版をレンタルしてきたので、これから観ようと思います。
それにしても三谷さんは何やらしても面白いもん作るよなぁ。