いちばんきれいな水

出演:加藤ローサ菅野莉央カヒミ・カリィ
松田洋治峯村リエ
田中哲司南果歩ほか
監督:ウスイヒロシ

たまたま借りたけど、今が夏で良かった。夏にぴったりの映画。
大人びた妹、小6の夏美役の菅野さんはかなり良い演技。素朴で自然な感じがすごく良い。将来有望って感じだね。
8歳から11年間眠り続けて突然目覚めた8歳の心を持つ姉、愛役の加藤さんは、ビジュアル的にはすごく最高でまさにお姫様って感じだったけど、もう少し8歳らしく幼い感じの演技をしてくれても良かったんじゃないかなと。もちろん、そうゆうつもりで演じてたんだろうけど、あれだと8歳児のまま止まってるというよりは、ただの不思議ちゃんって感じで。
―愛ちゃんがお姉ちゃんでガッカリした?
そんなことないよ。愛ちゃんが一緒で嬉しいよ。私、愛ちゃんとこうしてお話したかったもん―
この会話がすごく可愛らしかった。妹が姉をたしなめるみたいな感じで、この姉妹可愛いなとかって思っちゃった。
あなたなんか知らないって言われたあとの愛ちゃんの悲しい顔は本当に可哀想だった。そして、そのあとの一人で町をさ迷う行動。なんかすごく妙なシーンで、何か伏線めいたものを感じたんだけど…特に屋上に立って上から下を見下ろすシーンとか。でも、なんでもなかったみたい。最後、愛ちゃん死んだりもしなかったし。
何か意図があって愛ちゃんは目覚めたんだと思うんだけど、でも、別に最期のお別れをしに来たでもなく、本人としても何の自覚もないみたいだし、なぜこのタイミングでちょっとの間だけ目覚めたのかは不明。だけど、妹にお姉ちゃんとしての仕事を果たすために目覚めたんだよね、きっと。勇気が出る指輪を渡すために。一緒にあのいちばんきれいな水で泳ぐために。そして、あのことを謝るために。お姉ちゃんはやっぱりお姉ちゃんなんだよ。
前半は、姉妹の立場が完全に逆転状態だったけど、後半は愛ちゃんが頼もしく見えて妹を守るお姉ちゃんにちゃんとなってた。
二人で泳ぐシーンはすごくきれいで素敵。青く光る水がすごく綺麗。なんで夏美が、ここ知ってるって言ったか少し後に分かるわけだけど、子供って残酷だなってちょっと思ったよ。なぜ赤ちゃんだった夏美が8歳の愛ちゃんにあの場所に抱っこされて連れてこられたのか。すごい理由だったよ。あれ、真理子さんが目撃してなかったら大変なことになってたよね。
また真理子さんは良いこと言うんだ。てか、叔母さんである真理子さんがこんなに重要人物だとは思ってなかったけど。
愛が頑張ることは愛にしかできないのって言葉がすごく印象的だった。そして、そのとき真理子さんが愛にプレゼントした勇気が出る指輪。その指輪をした愛の手を撮った写真がまた素敵なんだ。
愛ちゃんの絵日記を読んで「なに言ってるの。愛ちゃんは夏美のお姉ちゃんに決まってるじゃない」って泣くシーンは思わずもらい泣きしてしまいました。
また眠りに就いてしまったけど、愛ちゃんも死ななかったし、事故の知らせが入った真理子さんも何でもなかったし、簡単に人が死ぬ映画が多い中、意外で良かったです。お姉ちゃんのおかげでちょっとは子供らしく変わって、勇気を持つことが出来た夏美はメガネを外して、とっても可愛くなった。
どうでもいいけど(実はちょっと重要?)塾で一緒の加藤くんは夏美が好きなんだね(笑)ラスト、そんな加藤くんに「私、お姉ちゃんいるの。秘密だよ」って言うシーンが素敵だったな。
思ってたよりかなり良い映画でした。