青の炎

出演：二宮和也、松浦亜弥、鈴木杏、渡辺哲、近藤芳正、六平直政、川村陽介
竹中直人、唐沢寿明
山本寛斎、中村梅雀、秋吉久美子ほか
監督：蜷川幸雄
原作：貴志祐介
特報で詠っていた「最も悲しい完全犯罪」という感じはしなかったけど、青色が印象的な映像の物悲しい映画だった。
主人公の、優しいが為に家族を守る為に犯してしまった罪。だけど、この主人公には元々黒い部分が潜んでいたような気がする。
人を殺したいって気持ちは、正直もしかしたら誰もが一度は軽い気持ちで考えてしまうことかもしれない。だけど、実際にそれをリアルに計画して犯行に移す。これはいったいどんな心情なのだろう。しかも、17才という若さでありながら、そうせざるを得なかった主人公の境遇が悲しい。
警察が病死と判断したことを夕食時に聞かされ、部屋に戻ってから笑いころげてみたり、かと思えば義父のときにも友達のときにも自分がしてしまったことに一瞬怖じけずいてみたり、ある意味ではリアルな犯罪者像なのかもしれないと思った。
にしても、義父役が山本さんだってキャスト紹介で初めて気が付いたよ(笑)全然気が付かなかった。これ、映画初出演らしいけど、なかなか良い演技してましたよね。どうしようもない親父っぷりもいいし、殺されるときの演技なんて本当に怖い。
原作は読んでないけど、貴志さんの他の作品なら「黒い家」を読んだことがあります。これも映画になっていて相当恐い。原作の時点でも、本なのにめちゃめちゃ恐い。それに比べたら大したことないけど、この「青の炎」も色んな意味で恐怖でしたよ。やっぱり人が人を殺すっていう描写は（しかも、計画的に）かなり恐ろしいものがあります。

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